「もう、捜したんだからね!」
「捜索願でも出せばよかっただろ」
「亮ちゃんのひねくれ者!」
「うるさい、ついてくるな」
咲良の強さには脱帽するばかり。
本当にめげないものだから、どこまで耐えられるのか試してみたくなる。
気持ち的には、スカート捲りしていたあの頃と変わらない。俺はまだ精神が子供だ。
「理乃ちゃんと話さなくていいのか?」
「いっぱい喋ったよ。それに、ほとんどが地元に残るからいつでも会えるって。クラスのお別れパーティーも3日後!」
「へえ」
「へえって。亮ちゃんも参加しなよ」
「クラス違うだろ?」
「わからないって」
「さすがにわかるだろ!」
ふと、咲良の持ち物が気になった。
女性らしくない大きくて、黒くて、何だか土に汚れているようなバッグ。



