「ごちそう様でした」




 あっという間に食べ終わった咲良は立ち上がってカバンを持つ。何食わぬ顔で俺の横に立った。




「亮ちゃん、学校行くよ」

「いや、俺の朝飯は?」

「わたしが代わりに食べました。ごちそうさまー!」

「待て、待て」




 代わりに食べたからって腹がふくれるわけじゃない。この空腹感はどうしてくれる。高校に行くどころじゃない。




「腹減ったんだけど」

「食べてる時間はないの。もっと早く起きなさい! 仕方ないから、わたしお手製おにぎりあげる」

「今日はなにが入ってるわけ?」

「ハンバーグ!」