そして夏。



 祐介の夢が叶った。毎日練習に励み、野球部レギュラーに選ばれた。



 ますます頑張るようになり、甲子園予選大会で準優勝。残念ながら甲子園には行けなかったが、とても嬉しそうにしていた。



 2人の活躍は聞かなくても耳に入る。俺は嬉しい反面、悔しくなる。



 2人が青春していて、人間らしくて、物怖じせずに突っ込んでいくのが羨ましい。



 だから俺は、活躍する2人を無視するように新しい道を探していたんだ。



 ふと、どす黒い感情に潰されそうになるから。