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 夏休みになった。
 それぞれいつも通りに振る舞い、何事も無かったかのように笑っていた。



 でも、気にしていたんだ。咲良のラブレター事件から、微妙な距離が3人の間にあった。




『こんなんで関係変わりたくない』




 告白した祐介に咲良はそう言った。
 でも、俺のせいで変わってしまったんだ。



 だからこそ思ったんだ。



 もっと遠くへ行きたい。あいつらから離れたいと。
 そばにいたら傷つけてしまいそうだったから。
 咲良も、祐介も、大切な友達だから。