何でこんなに嬉しそうなのかわからない。
 けれど、お袋さんが言うならお邪魔するしかない。断るのも悪い。




「お邪魔、します」

「わお! 我が家に男の子がくるなんて、ママちゃん興奮しちゃう!」




 ママちゃんって。なんて可愛らしいお袋さんだ。こんな人だったっけ。



 母さんと親友って仲だし、普段はこのくらいハイテンションなのかもしれない。母さんに毒されている気がしないでもない。




「咲良呼んでくるから、キッチンに行って座ってて!」

「あ、はい」




 そそくさと2階へ行ってしまったお袋さん。それを見送ってから、俺はキッチンに入る。
 我が家と違って整理整頓が行き届いている。さすがだ。