「さ、葵さんもこのオペラグラスで星空をご覧なさい。とても綺麗ですわよ」


オペラグラスにはこんな使い方があったのですのね。

オペラ鑑賞の時しか利用しなかったので良かったですわ。



「でも響子ちゃん。こうやって寝っ転がって見た方が綺麗だよ」



そう言うと葵さんは無邪気に芝生へ寝っ転がってしまいました。



「まぁ!それではお洋服が汚れてしまいますわ!」



暗くて良く見えませんが、そのまま寝っ転がっては背中は泥だらけになりますわ。



「大丈夫だよ」


「いいえ!何があるかわかりませんわ。やはりここはオペラ……」


「じゃあ、レジャーシートを敷いて一緒に見よう」


「レジャーシート……ですか?」



葵さんは自身の鞄からレジャーシートを取り出し、サッと芝生の上に敷いてくださいました。