My.doctor…?

「…え？」



どういう事？

『大事な人』って…



「咲桜ちゃんが好きだよ。患者としてではなく、１人の女性として…」









ウソ…



思いがけない告白に
時間(とき)が止まった。

きっとそんなの
あたしの中だけだろうけど
それぐらい驚いた。



「先生が…あたしを…好、き…？」


「あぁ」



改めて確認した想いに
ようやく現実味を感じて涙が溢れた。



「わ、悪いッ!イヤだったよなッ。困らせるつもりはなかったんだが…」



『言わなきゃ良かったな』と後悔する先生に
あたしは必死に首を横に振って否定した。



「違…嬉し…ッ」



言いたい事はたくさんあるのに涙が出ず
途切れ途切れになってしまう。


だけど先生…
全然違うんだよ。

イヤな訳がない。



「あたしも先生の事が好きッ…だから嬉しいッ…」


「咲桜ちゃん…」


「イヤなんかじゃ…全然ちが…」



言い終わる前に先生に抱き締められ…



「ありがとう」



お礼を言われた。



あまりに突然の出来事に涙が止まる。

…かと思ったのに
さらに溢れ出した



「せん、せ」


「ん？」


「好きッ」


「何度も聞いてるよ」


「大好き…ッ」


「あぁ」



抱き締めたまま
先生は優しく背中を擦ってくれた。

その手と腕の中の温もりに包まれながら
あたしは何度も告白した。