きっと向こうは
たぶん本当は
あたしを許したくないはず。


だけど素直な気持ちを話してくれた。



でもあたしは
彼女に会うのが怖くて、逃げた。




向き合う事を避けて
そのままにしていたんだ。





だから
このままじゃいけない。



ちゃんと会って
自分の気持ち、言わなきゃッ。






―――――――――……




マンションを出て辺りを見渡すと
白石さんはすでに道路を渡った先を歩いていた。



今ここで見失ったら
もう会えない気がしたあたしは
急ぎ足で横断。

彼女を追い掛けた。



「白石さんッ!」



前を歩く彼女を呼ぶと
立ち止まって振り返り
驚いた表情を浮かべた。



「姫宮…さん?」


「良かった…間に合ってッ」



上がった息を調えながら
なんとか落ち着かせる。



「どうしてここに…」


「手紙、嬉しかったです。白石さんが自分の気持ちを話してくれたから…」



だけど白石さんは
またあたしに背を向けてしまった。