そうこうしていると
玄関先で『コトン…』と
音がした。


画面から目を逸らして考えていたから、何をしたのか見なかった。






もうすでに白石さんは画面に映っていない。



静かに玄関の扉を開け
左右、外の様子を確認するも
やっぱり白石さんの姿はない。


たぶん帰ったんだろう。



さっきの音が気になり
ふと扉に備え付けられているポストに目線を移し、気が付いた｡







中に入っていたのは
1通の見覚えのある封筒。



表には
"姫宮咲桜さんへ"と
書いてある。



封筒を裏返すと
左下に"白石柚花"と書いてあった。








白石さんから
あたし宛に手紙…？




不思議に思いながら
封を開けた。




『姫宮咲桜さんへ



急な手紙、ごめんなさい。


私は姫宮さんに
謝らないといけないです。


酷い言い方をし
追い出してしまった事…
本当に申し訳なく思っています。




姫宮さんが喘息という病気で
翔灯の患者である事…


信じなかった自分の言動は
あまりに軽率でした。


翔灯にも幻滅されたわ。



自業自得ね。