―――…そして翌朝。





「眠れなかった…」



いろいろな事がありすぎて
一睡も出来なかった…。



あの後、電話を終えた先生は
気まずそうに『病院に戻る』と言って、マンションを出ていったきり帰って来ない。





やっぱり迷惑だったんだな…と思う。



「はぁ…」



今朝はずっと
軽い頭痛に悩まされている。




寝てないからか
考え事のし過ぎか
疲労からか…。




風邪だったらイヤだな…。
先生に迷惑掛けたくないしね。




風邪薬はある。


発作が起きた時様に
処置する道具が入った救急箱を
先生が用意してくれていた。

そしてその中に
喘息の薬や風邪薬が入っている。




ただし。




先生の処方がないと
勝手に飲む訳にはいかないんだよね…




だけど今は
先生に会うのが気が引ける。


だからと言って
黙って飲めば確実に怒られるし…。




要するに
風邪薬は、あってない様なもの。



飲む事が出来ない訳だ。






「寝てよ」



幸い(さいわい)
今日は大学が休み。

頭痛も軽いし
今からゆっくり眠れば
夜には復活するだろう。