プルルルル―――――…




「「ッッッッッ!?」」






唇か当たるかどうかのギリギリの所で、突然鳴り響いた着信音にお互いハッとする。



「わ、悪いッ」



先生は
あたしの肩に置いていた手を退けて離れた。



あたしはと言うと
恥ずかしさで顔を背けて
頷くしか出来なかった。



あいかわらず鳴り続ける電話。



どうやら先生に電話らしく
ポケットから携帯を取りだし
リビングを出ていった。








リビングで独り
記憶が蘇る―――――……



あたし達…
今、キスしようとしてた?







いやいや
それはないよね。


だって
先生から告白された訳じゃないし。



むしろ
告白したのって…



「あたしじゃん…」



自分の発言を思い出したら
急激に顔が熱くなる。



恥ずかしいってもんじゃない。



心の準備どころか
あんな事言うつもりなんて
微塵もなかったのに。


勢いで告白なんて
あたしはアホですか?



先生はどう思ったのかな…

でもあの雰囲気は
まさか先生もあたしを…



「ッて…ある訳ないか」



もう少しで
勘違いに華が咲く所だった。



でも先生は…
何しようとしたのかな…



「はぁ~~~~~~~」



重すぎる溜め息が出てくる。





外はあいかわらず
ザンザンと雨が降り続き
あたしの中のモヤモヤも
どんよりとしていた。