ザァザァと
外の雨音で目が覚めた。



ここは病院…?

あたしいったい…



「気が付いた?」



点滴を替えに来た看護師さんに
声を掛けられた。



「あたし…どうして病院に?」


「道端で倒れていたみたい。通り掛かった方が救急車を呼んでくれて、運び込まれたのよ」


「また発作…?」


「ううん。軽い貧血だから大丈夫よ。疲れていたみたいね」



貧血…。


確か。

行く宛がなくて困っていて…


雨が降ってきたから
とりあえず雨宿りしようとして…




でも、その後の記憶が
プッツリ途切れている。




そっか…
倒れたんだ…あたし。



だけど発作じゃないのなら
先生に迷惑掛けないよね…



「今、速水先生が来るから、少し待っていてね」



え。
先生…来るんだ。


黙って出ていったから
顔合わせづらい……。




しばらくすると
白衣姿の速水先生が入ってきた。



「咲桜ちゃん…」



呼ばれるも
顔なんて見れるはずもなく
先生から目線を外す。



「悪いが、席を外してもらってもいいか?」


「はい」



看護師さんを病室から退室させると、
先生はベッド横の椅子に腰掛けた。