『お休みの所すみません。鈴木です』



相手は
呼吸器内科の看護師。



「気にするな。それより、どうかしたのか?」


『速水先生が担当している、姫宮咲桜さんですが…』



"姫宮咲桜"
看護師の口からその名前を聞いた瞬間
俺は取り乱した。



「咲桜ちゃんが病院にいるのか!?何かあったのかッ!?」


『えッ…』


「発作を起こしているのか!?具合はッ」


『先生!落ち着いてくださいッ』



興奮している俺に
看護師の喝が響く。


想像以上の看護師の発声に
頭が冷静さを取り戻す。



「悪い…大声出して」


『姫宮さんなら大丈夫です。確かに病院に運び込まれましたが、貧血だけなので発作は心配ないです』


「そうか…。今からそちらに向かう」


『よろしくお願いします』



看護師との電話を終わらせ
俺は車を走らせた。


とりあえず
発作を起こしている訳でなくて良かった。


咲桜ちゃんが見つかって
ホッとしていた。


だがもちろん
これで終わった訳ではない。


今度こそ
向き合わないといけない。




――…速水side END *。+†*