なんだ…これは。



背中の数ヶ所の傷
見た感じだと…

内出血の青アザ。
火傷の様な赤み。
切り傷の様な線。


どれも出血は止まっている。
たぶん
つい最近のものではない。



「驚くよね…」



柚花は俺に背中を向けたまま
小さく呟いた。



「お前、どうしたんだ?この傷」


「…背中だけじゃないの。全身に同じ傷があるのよ」



俺の質問に答えようとはせず
ワンピースを腰辺りまで下げ
他の部位まで見せようとする。



「だからッ!どうしてこんなに傷があるんだよッ」



イヤな予感がしたから
俺は少し苛立ち
思わず声を張り上げた。



「自分で作れる傷じゃッ」



自分で言いながら
俺はハッとした。



「まさか…」


「たぶん、翔灯の思っている通りだよ」



柚花は俺が何を考えているのか
気付いたのか。



って事はこの傷
"誰か"に付けられたのか…。



「いったい誰が…」



誰がこんな酷い事を…



「…結婚した、前の夫よ…」