「そうだったんですね…」


「アイツには、咲桜ちゃんの名前を出さない様にストーカー男の処理は頼んである。まぁ安心して大丈夫だ。高校時代は、いいかげんなヤツだったが、警察官になってから意外にしっかりしたから」


「はい。先生を信じてるので大丈夫です」



何が大丈夫だって?
と言うか
俺にプレッシャーを掛けるな。

そして
人を簡単に信じるな。



「騙されないように気を付けてくれ」


「はい?」


「咲桜ちゃんは、本当に危なっかしいよ。ストーカー相手に飛び出してくるんだからな」


「アハハ…」



気まずそうに苦笑いする彼女は
どうやら自覚はあるらしい。



「なんの為に黙って来たのか、わかったもんじゃない」


「先生…怒ってます?」


「当たり前だ」



預かった大事な娘に何かあったら俺は自殺もんだ。


こんな事で喘息を酷くしたら
医者も失格だ。


そして…
守ってやれなかった俺は
男失格か。



「本当、無事で良かった」


「先生…」


「帰るぞ、家に」


「はいッ!」





こうして
ストーカー男とは決着がつき
すべて終わった。



――……速水side END *。+†*