「どうしてそんな事までッ」


「って事は、間違ってない訳だ」



墓穴を掘った男は
自分の言葉に『言ってしまった』って顔をした。

そんな顔してももう遅いがな。



「で、今回また犯罪を1つ追加したんだな」


「犯罪…?」


「姫宮咲桜という女性に、ストーカー及び暴行の疑い」



俺の言ってる事は理解してる様で明らかに動揺が隠せていない。



「ぼ、僕の事、どうやって調べたんですか?」


「内部機密」


「…アナタは誰ですか。彼女とはどういう関係ですか」



どういうって…



「彼氏…?」



"?"が付いたらダメか。

『兄貴』っていうのも顔が似てる訳ではないし、『知り合い』にしては怪しい。

ってな訳だ。
咲桜ちゃんには悪いが
思い付いたのはコレしかなかったんだ。



「彼氏…ですか」



完全に信じてくれた様だ。

どうやらこの男にとっては
"?"の存在は
どうでもいいらしい。



「理解出来たなら、気安く彼女に触れるな。近付くな」



気分が悪いんだよ。

何より
咲桜ちゃんの涙を見たくはない