強引だったかもしれない。

本当は俺から言うつもりもなかったんだけどな…。


だがこんな事になって
俺も…
いや、俺自身が
恐怖心から抜け出せず
焦っていたんだろう…。



「でも先生…」


「どうした?」


「話すから……あたしを…嫌いにならないで…」


「え?」



嫌い…?

俺に嫌われるのがイヤなのか?


どうしてそんな事を
言うんだ…



「何バカな事言ってんだ。嫌いになる訳ないだろ?」


「…よかった」



ホッとした様で
精一杯の笑顔を俺に向けた。

それはあまりに苦し気で
見るのがツラい。



「すべて…お話します」


「…ありがとう」



それから聞いた
すべての真実…。



『好きです』と書かれた
小さいメモから始まり
非通知…
気配…
花束と手紙…写真
そして
強姦されかけた事…



「ぁたし…なにも、されてない。なにも…。服…破れた…だけ。他はなにも…だ、から…」



咲桜ちゃんは話ながら
徐々に全身が震え始め
先程の様に怯えだす。