「ねぇ、郁(いく)アンタの彼氏また派手に転けてたけど。」







サラッとそんな事を言った彼女は私、郁の親友の詩由(しゆ)である。








そして私の彼氏とは







「あ!郁ちゃーん!


えへへ、おはよう!」







オットリとした空気と共に私の元へ駆けてきた彼が私の彼氏の央生(ひさき)だ。









「おはよう、央生。」








挨拶を返しながら彼を見ると、右の肘に血が滲んでいる。






よく見れば、彼の夏服は所々黒く汚れている。