もやもやしたまま学校に着く。想史と朔は同じクラス。私だけ別のクラスなのも、一層憂鬱さを感じる。朔ばっかりズルい。クラスも部活も一緒でさ。
ちなみに二人はサッカー部。小学生の時から同じサッカースクールにいて、今までバカみたいに夢中になって続けてる。もちろんバカみたいなのは朔。想史はいいの。サッカーやってるときは特別格好良く見えるから。
「おはよう、瑠奈。なにブスな顔してんの」
同じクラスの友達、穂香が席についたばかりの私の肩を叩く。
「どうせブスだもん。いつもブスだもん」
「あーあ。そんな風に言ってると、本当のブスになるよ。せっかく可愛い顔してるのに」
いつも明るい穂香はけたけたと笑う。黒いボブヘアがはっきりしたお人形みたいな顔によく似合ってる。実は穂香は朔の彼女。私にはなんであんなやつがいいのかさっぱりわからない。
「今日も想史くんと一緒だったでしょ。ここから見えた」
穂香がすぐそばの窓を指さす。私の席は窓際で、夏は容赦ない日差しが差し込んで眩しいやら暑いやら、全然いいことない。九月の今も残暑が厳しくて、座ってるだけで焦げて真っ黒になりそう。



