泣きながらめちゃくちゃに走ったら、何故か毎年盆踊り会場となる公園に着いていた。街灯はついているけどそれもちらほらで、緑のはずの茂みが黒く見えて不気味だ。何か邪悪なものでも潜んでいるみたい。ひゅうと冷たい風が吹いて、背中が震えた。

こんなところに一人でいたら、補導されるかも。ううん、補導ならまだいいけど、不審者に狙われたら怖い。

だけど、他に行くところもない。こんなひどい顔で友達にも会いたくないし。会ってくれたとしても、事情を話したくない。同情されるだけで何の解決にもならないに決まってる。


「あーあ……」


どうして私って、こうひねくれてるんだろう。好きな人の幸せを一緒に喜ぶこともできないし、うまくいかないことは全部人のせい。


「やだなあ」


ゆっくりと公園を歩き、昔よく遊んだすべり台の階段を上がる。小さい頃は大きく見えていたすべり台も、今では階段の幅が狭い。ちょこちょこと小刻みに昇り、小さな枠をくぐって頂上に座る。すると小さなすべり台でも、視界がだいぶ高くなった。


「どうして私って、こんなんなのかな」


破滅的にブサイクってわけでもないし、頭もものすごいバカってわけでもない。なのに朔が隣にいる、しかも双子というだけで比べられてしまう。するといつも朔が『優』で私が『劣』なんだ。