「あ、……あの…………1つ、いいっすか」





「ん。何だ」


おずおずと手を上げたのは、モヒカン頭のヤンキー君で。よく見ると唇の横に、桜のピアスが付いている。

めっちゃオシャレ←






「乱鬼って…………あの乱鬼、っすよね…………………………敵、ですよね?」



「なぁ、瀬戸」




「っ、すっ、すすすっみませっ!出過ぎた事をっっ」




「お前が認識してる‘’敵‘’って何だ?」











瞬間、その場がしんとする。


迅が何を言いたいのか、何をしたいのか

全員が理解したくて次の言葉を待った









「この中に喧嘩を売ってきた奴はいたか?」




と。言葉を落とす迅。

「内乱があった。喧嘩を売ってきた奴等は今、爛にいる」




「え、………………それって、」




「こいつらは敵じゃない。他に質問は」









全員が全員の顔を見渡し、未だ、困惑気味


「ごめんね、皆驚いてると思うけど彼等には今までのケジメ……付けて貰ってる





それでも信じられない奴は、迅を信じてない……って事になるけど、」




「勿論、信じてくれるよね?」







と、迅が言わなかった補足を羽音と藍がする







そして、上手く場を乗せるのが、




「俺らの迅だぜ?間違いはねぇ、だろ?お前ら!」








そう言いきった時雨に、全員が、


「そっすよね!俺、迅さんに、皆さんに付いて行きますっ」



「ケジメ付けてんなら言う事ないっすわ」



「ほら、アンタらも頭上げなよ。歓迎するぜ!」










先程までの動揺と緊張感は何処へやら

満面の笑みで、土下座した二人に手を貸して立たせる姿が視野に入った




本当、皆、人がいいなぁ

その光景が微笑ましくて、ついつい笑ってしまう




そして、また、手を差し出された青鬼、赤鬼は何度も「ありがとう」と繰返し、手を握り返していた。








きっと、少しずつ動き出す。

全ての歯車が、全てのパズルのピースが揃うだろう





その時、……私は、……彼等は、



側で笑えているのだろうか?











「これより、今日、この日を境に乱鬼と覇王は協定を結ぶ



上がって来いよ、二人とも。一華も」







このメンバーと一緒に。


明日も。明後日も、明明後日も…………



















笑えていますように。




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