――――
―――――…
大和の就職試験の結果を待ちながら、いつもと変わりなく過ごしていた。
彼は今まで通りバイトに明け暮れている。
時々バイトを休んで卒業論文の活動をしているみたいだけれど、それでも私とは殆ど毎日会っていた。
一緒に食事をして、テレビを見る。
一日の出来事だとか、お互いの話をする。
そんな風に穏やかに時間が過ぎていった。
『大和の就職が決まったら、来年からは遠距離?』
『私達はどうなるの…?』
大和の就職が決まった場合の私達の事については、就職試験から帰ってきた日以来話していなかった。
あの時、自分で電話を終わらせた後も、ずっと心の中に残っている不安。
中途半端な状態で電話を終わらせたのだから、解決なんかする訳がなかった。
“遠距離ではなく、私も着いていきたい”
その気持ちを伝えるのが、少しだけ怖かった。
大和がどんな風に思っているか分からない分、『断られたらどうしよう』と思うと怖かったんだ。
けれど、不安を抱えたままでいる事も私には出来なくて。
ついに私は切り出した。
「大和の就職が決まったらね…?」
「うん?」
俯いたまま話し始めた私を、左隣にいる大和がじっと見つめて聞いていた。
「もし大和の就職が決まったら、私も一緒に着いて行きたいって言ったらどうする…?」
そう言って私も顔を上げると、大和を見つめた。
私と目が合った途端、今度は大和が私から視線を逸らして俯いた。
「うん…。」
そんな大和の様子を見ていると、
『やっぱり困るのかな…。』
そう思えてきて、この話を始めた事を後悔した。
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大和の就職試験の結果を待ちながら、いつもと変わりなく過ごしていた。
彼は今まで通りバイトに明け暮れている。
時々バイトを休んで卒業論文の活動をしているみたいだけれど、それでも私とは殆ど毎日会っていた。
一緒に食事をして、テレビを見る。
一日の出来事だとか、お互いの話をする。
そんな風に穏やかに時間が過ぎていった。
『大和の就職が決まったら、来年からは遠距離?』
『私達はどうなるの…?』
大和の就職が決まった場合の私達の事については、就職試験から帰ってきた日以来話していなかった。
あの時、自分で電話を終わらせた後も、ずっと心の中に残っている不安。
中途半端な状態で電話を終わらせたのだから、解決なんかする訳がなかった。
“遠距離ではなく、私も着いていきたい”
その気持ちを伝えるのが、少しだけ怖かった。
大和がどんな風に思っているか分からない分、『断られたらどうしよう』と思うと怖かったんだ。
けれど、不安を抱えたままでいる事も私には出来なくて。
ついに私は切り出した。
「大和の就職が決まったらね…?」
「うん?」
俯いたまま話し始めた私を、左隣にいる大和がじっと見つめて聞いていた。
「もし大和の就職が決まったら、私も一緒に着いて行きたいって言ったらどうする…?」
そう言って私も顔を上げると、大和を見つめた。
私と目が合った途端、今度は大和が私から視線を逸らして俯いた。
「うん…。」
そんな大和の様子を見ていると、
『やっぱり困るのかな…。』
そう思えてきて、この話を始めた事を後悔した。

