俺はどこにでもいるような文系大学生、特技はフラワーアレンメント。

「いおりー、現実逃避しないのー」
前に座るのは高校からの親友、橘 理月
「あんた今日から住むところないんだよ?
とっととなんとかしなきゃ」

そう、居候してた友達の家を出ることになってしまったのだ。

「あ、そーだ」
おもむろにスマホを取り出すと、どこかに電話をかけ始めた。

「もしもーし、しー君?
住み込みのバイトってまだ募集してる?」
誰に電話かけてるんだ?
「あー、俺じゃなくてダチ
今から行けばいい?うん、わかった」