パターン室に 圭さんが来た。

「杏 ちょっといいかしら?部屋に来てくれる?」

「はい。すぐに…」

今までの作業を中断して 保存完了。急いで COLOR roomに向かう。

部屋にノックして入ると…先輩と圭さんが ミーティングしていた。私もそこに行き 椅子に座る。

「杏、今パターン引いてるのどれ?」

ちょっと険しい感じの圭さんが話しをする。

「デザイン画のこれ、No.3のです。」

「No.3って事は No.1と2は終わってるのかしら?」

「いえ、私は数字の順番で仕事をしないので、まだですが…」

「そう、あなたが面白い子で本当良かった…。」

「杏、圭が今の作業をストップだと言っている…。」

「え?何でですか?」

「あら?意外と仕事が出来ないみたいね杏。」

「圭、そんな言い方するな。違うだろ?」

先輩がフォローを入れてくれているみたいだけど、ブルーに一瞬でなった。

「杏、パターン作業前にする打ち合わせって したかしら?」

「いえ、デザイン選出のままで していません。」

「でしょ?ここまで言ったらわかる?」

「回りくどいな お前。性格悪過ぎだろ?」

「凱人は黙って。初めが肝心でしょ?私は杏が大好きなの。だから ちゃんと納得して仕事したいから言うのよ。」

「はっ。圭さんわかりました。すみません、私1人で突っ走りました。今からお時間頂けますか?」

ニコリと笑う圭さん、そしてクスッと笑う先輩…

ああ、私幸せだ…
間違った時 しっかりと教えてくれる人がいる。今までとは違う環境にいる自分が 貴重であり このメンバーで良かったと心から思ったのであった。