やっぱり 昔の先輩と今の先輩は被る所はあるけれど、見た目以外それはない

王子の微笑み どこかに忘れちゃった?
何か得体の知らない 黒いただならぬ空気を感じて 私は身震いした

「で、さっきから話し掛けてんだけど、お前無視いつまでするつもり?」

「へ?」

「間抜け面…真面目に仕事しろよ…」

「はい、すみませんでした…」

「このデザインの5型、お前どれくらいで出来る?」

「因みに納期はいつですか?」

「今週末か週明け…出来るか?」

「イメージ写真や サイズはありますか?」

「ああ、揃えられるとすると?」

「今週末はちょっと厳しいですが 週明けなら大丈夫です」

「そうか 誰かヘルプは必要ないか?」

「えっと、誰かのヘルプが入ると ラインが変わる可能性がありますが それでも問題ないですか?」

「ハハ…負けず嫌いだなお前…気に入った。じゃあ、全て任せるから よろしくな!」

仕事は案外自由にさせてくれるタイプなんだ…

態度と言葉遣いは王子じゃなく…百瀬さんは誰よりも間違いなくKING…王様だと思う

だけど…先輩は仕事に対して厳しい人であり、この仕事が好きなんだという事が 今の打ち合わせからも伝わる

私も先輩を ガッカリさせない為に 初仕事を特に気合いを入れて頑張ろうと思った…