「おい、お前ちょっと来い!」

席を外していたのに、戻っていきなり 俺様発言をする百瀬チーフ

「あのっ、私にも名前があります。お前っていう言い方は酷いじゃないですか?」

空きの会議室に入って 速攻抗議した

「へぇ~部下が上司に楯突くとか、
しかもお前 今日初めて俺と話すのに?」

「当然の権利です。百瀬チーフ?」

「気が強過ぎるだろ?安藤 杏果」

ドキン…
不意討ちだ…

何で名前まで言う?
わざと?
狙ってる?
先輩の事好きだったとバレてる?

一瞬で色々な事が 頭の中を駆け巡る…

「なぁ…お前 良く固まるよな
それ どうゆうふり?」

「先輩のせいだから… あっ!」

「気付いてたんだ…俺って?」

「はい。先輩は何処にいても目立ちますから。高校の時も、社会人の今も…」

「へぇ~俺そんなに目立ってた?」

「当たり前です。私入学式で先輩を1番に覚えた位です…」

ハッとして 余りにも話し過ぎたと思った

「ハハ…俺今、お前に告白されてる?」

「違います。みんなが知ってるレベルの話なんで…」

「ふ~ん。まぁ昔の事は興味ない。安藤杏果。後輩だからって 特別扱いしないから、しっかり働けよ‼」

「言われなくても 働きますよ。私仕事が命なんですから‼」

「熱いなお前。まぁ今日からよろしくな」

クスっと百瀬先輩が笑った

…ドキンと心臓が勝手に動く
あの頃の笑顔と一緒に私の気持ちも揺れた