始まりは、弟子の一言だった。
 
例の三人の伝説が出来てから約二十年後のお話である。
 
 
「あれ?これ、何ですかね?」
 
「え~、なあに~」
 

ちょっと不思議そうな声で誉ちゃんが言ったので、迷も誉ちゃんの手元をのぞき込む。
 
そこには一枚の封筒。
 
そして、宛名は、『出海 誉』
 

「えっと、誉ちゃん宛の手紙、かな?」

「あー、やっぱそうですよね。でも、差出人に心当たりが無いんですよ。」
 

そう言って誉ちゃんは封筒をひっくり返した。
 
裏面を見せられた封筒には、差出人の名が……。
 
 
「え、っと、魔法学校教育連盟?……え?なんで?」
 
 
困惑した顔の迷。
 
当の手紙の受取人の誉も不思議そうな顔をしている。