そんな迷のポケットの中で、カチッと音がなったことに石川は気づいていなかった。 そのまま石川を見送った迷は、満面の笑みだ。 「ボイスレコーダー用意しといてよかった~」 これは魔力を込めて使う魔道具で、好きな瞬間のその近辺の音を録音できる。 ただし、未来の音は録音できないし、遡れるのも一時間前までという制限付きだ。 「蛍に送っとこ~」 ほくほく顔の魔女は、上機嫌でその場を去ったのだった。