「ほら、紅音。 座って、座って? なんなら、私のおひざにいらっしゃい。 あ、ホットミルク飲む? ちょっと待っててね。 今、日光で温めるから」
ふらふらと立ち上がり、どこかに出発しようとする、紅音。
「ミルク・・・・?」
「そう! ちょっと時間かかるけど」
「北海道・・・・?」
「産地は分からないけど、おいしいやつだよ?」
「そっか」
と呟いて、紅音は体の向きを変えた。
「そうだ、北海道に行こう」
「自分探しの場所が決まってしまった!? 旅行のキャッチコピーみたいだし! 北海道は、でっかいどうだよ! っていうか、っていうか!! そっちは、北海道でもなく、ただの柵だよ! 怖い! 怖いよ!」
北海道を、直線で目指そうというのか、紅音は、屋上の入り口ではない方向を目指す。
「シャレにならないやつだよ! 自殺幼女の罪になる!? 禁断×××生活って、刑務所生活って、ことなの!? 攻めすぎだろ! だから、人気でないんだよ、この作者!」
「おぉー、あおちゃん、全開だね」
「関心してないで檸檬も止めるの手伝って!」
檸檬は、少し空を見上げて、
「あおちゃん。 なくなった絵の具は、買い足せばいいんだよ」
「何が言いたい!? 何が言いたいっ!!」
「あと、自殺幇助ね。 自殺を手助けした罪。 刑務所じゃあ、男女が一緒にはならないから、そこでのラブストーリーひ期待しない方がいいよ。 いや、待って! 女刑務官さんとの、身分を越えた……ありだね! ちなみに、この作者が人気がでないのは、攻めたからじゃなくて、単純に一般ウケしないからでだよ? 胸キュンストーリーにギャグどれだけ詰めれば気がすむのって思わない?」
「言わないで!本人も分かってるんだから!」
助けてくれるどころか。精神的にも追い詰めてくる。
なに、この子。悪魔なの?
「いも、カニ、時計台、大泉洋・・・」
そうこうしている間にも、紅音は、着実に北海道に近づいていく。
「ひいっ!! 紅音、その一歩は小さな一歩だけど、人生的に大きすぎる一歩だよ!」
紅音の腰に抱きつきながらも、ずるずると、引きずられる。
あぁ、人っいう漢字は、こうやってできたのかな。
なんて、頭によぎる。
「ほんとにやばいよ、これ! だれか! たすけてーっ!」



