ぼたり

「はい、こぼれた。 アウトー」


「あぁあぁ、もったいない! 後でスタッフがいただきますよ! というか、紅音! はやく、立ち直って!」


紅音の肩をつかまえ、揺さぶり起こす。

さらに、焼きそばがこぼれるが今更だ。


ゆさゆさ。


ぼたぼた。


ゆさゆさ。


ぼたぼたぼた。



「・・・・あお、揺さぶりすぎ」

4、5回揺さぶると、紅音の目に生気が戻った。



「ふぅ、やっと戻ったか。 まったく、毎度メンタルの弱さには困ったもんですよ」

「ごめんごめん。 あ、そうだ。 この後、用事あるんだった」

「あれ、そんなこと言ってたっけ?」



はて。記憶にないぞ。



「うん。 ちょっと自分探しの旅にーーー」

「はやまるなーっ!」

全然、メンタル復活してない!