予鈴が鳴って先生が入ってきてやっと帰って行った子達に、小さく息を吐いてからメモとシャーペンを取り出した。


黒瀬との文通用に、夏休みの間に用意しておいたんだ。



”黒瀬さんへ

夏祭りぶりだね。

2学期もよろしくね。

夏野”



だいぶ悩んでこれしか出てこなかった。

もういいや、これで。


ポイッと前の席に投げると、もう慣れたのか驚くことなく黒瀬は机に乗った手紙を手に取って広げた。

するとすぐに返事が返ってきた。



”夏野くんへ

よろしくお願いします

黒瀬”




またこんな一言のために……。

クスッと笑ってしまった。