ジンの運転とは違う、ちゃんと気を遣って運転してくれているのが分かるから、安心した。 赤信号で止まる度に「寒くねぇか?」とか「大丈夫か?」とか振り向いて聞いてくれる。 この時期のバイクなんて寒いはずなのに、ヤヅキとくっついているせいか、あまり寒さは感じなかった。 もうすぐ家だと思うとなんだか名残惜しくて、ヤヅキの腰に絡めた腕にぎゅっと力を入れると、少しスピードを落としてくれた。 「…ついたぞ」 「うん…ありがとう」