まだ少し残っている黒静の中で、1人の影が死角から現れた。 「…さすが、強えな…くくっ」 余裕そうなその声、笑い方。 それで私は姿を見る前にわかってしまった。できれば、来て欲しくはなかった。 「…てめぇか、こんなマネしたのは」 今までに聞いたことのないルキの地を這うような声に私まで鳥肌が立つ。