「ヤヅキ!!止まろう!!」 私はヤヅキに聞こえるように声を張って言った。 2人の状況を見て、ほってはおけない。 「お前を届けてからだ!!」 「ヤヅキ!こっち!」 ルキが顎で指す方にある細い路地へと入った。遠回りをして抜け出す作戦らしい。それは今朝、ルキがやっていた方法。 これで大丈夫…なんて早くも私はため息をついたその時、バイクが急に止まり私は思わずヤヅキの背中にヘルメットをぶつけてしまい、ヤヅキの唸るような声が一瞬だけ聞こえた。