両耳のピアスがキラキラと光っていて、顔が近づく。ヤヅキの切れ長の目に見つめられ、体が動かない程ドキドキして、お互いの息がかかるところで、少しだけ止まり、そして唇がそっと触れた。 それは、押し付けがましいキスなんかじゃない。ちゃんと好きだと言うキスだった。 顔を離すとふっと笑ったヤヅキは凄く綺麗で、見とれてしまう。 「またな、美桜」 そう言って頭を撫でるとバイクで走り去ったヤヅキを見えなくなるまで私は立ち尽くしていた。