「うん、嬉しいよ?」 高い月に照らされて、金色の髪がキラっと輝く。 「俺は、お前を今日みたいな事に巻き込むのは嫌だ。怖い思いさせんのも嫌だ。でも…それ以上にお前を失うのはもっと嫌だ」 掴まれた腕はいつの間にか私の体全体を包んでいて、ヤヅキの体温を感じていた。 「ヤヅキっ…」 一気に頬に熱が上っていくのがわかる。 こんなに心が温かくなったのは初めてで、気づいたら芽生えていたピンクが溢れそうで、それは嬉し涙となった。