えっ…… 行き場を失った手のひらは、だらしなく下げたまま。 「ジン…?」 「お前を受け入れるとは言ってねぇ」 ……っじゃぁ、なんで…っ 「なんで探したりなんかしたのよっ…」 「いいか美桜。チャンスをやる」 「……ちゃ、チャンス?」 こんな夜中に私達の周りを行き交うのは数人だけ。 この険しい雰囲気を避けたいのか通る人みんな目を合わせないように俯いている。