「これ着てろ…」 そっぽを向いて着ていたジャケットを差し出してくれるから、お礼を言ってそれを受け取った。多分、前を隠せって事。お腹にあった傷はもう消えていた事に、今更気づいた。 「ヨウが、悪かった…」 「…違うの。私が悪いから、 ヨウは悪くないよ」 そもそもの原因は私がここにいることな訳だし… どうやらヤヅキは忘れ物を取りに来たらしく、その後をルキが来たみたい。 「……美桜」 2階から降りてきて、私の名前を呼んだのはユウ。