だるい体にムチを打ち小走りであの家を離れながら、ここはどこで、あの家からどのくらい離れたのかを考える。いくら周りを見渡してもそれらしい場所もなく諦めかけて歩いていた時、携帯が鳴った。





「……っジン!」




「……美桜か?」



ワンコールで出ると息を切らしたジンの声が聞こえる。もしかして私を探してくれているのかな…。





「私の携帯だもん…他に誰がいるのよ」




「あ…あぁ、いや…そか、なんでもね」




珍しく歯切れが悪い。




本当にどうしたんだろ…?





風が強く吹いて金色の髪が視界を遮った時、風が吹く音が向こうからも聞こえ外にいることがわかったけど、あえて質問をする。