メールの内容は特になく探している、とだけ書かれていた。




1度捨てた女を探すなんて…て、思いつつ期待をしてしまう私は、やっぱり単純なんだと思う。




探してくれているだけで、必要とされているようで嬉しかった。




「…っ行かなきゃ」




夜中になり日付が変わった頃私は部屋を後にした。





うわっ…暗くて何も見えないんだけど!




携帯の明かりを頼りに見る限り、この部屋が一番広い。




テーブルにソファーが2つ。椅子が数個置いてある程度であとは何も無い。雑風景だなぁ〜…それに物が少なすぎる…もしかしてここで生活してる訳じゃないのかな…?





そんな事を考えながらそっと鍵を外して出ると、冷たい風が頬を掠めた。




「うー…寒いっ」





何か来てくればよかったかな…て、着るもの持ってないんだった…。




荷物は最小限に抑えたくて、貴重品以外全部さっきの部屋に残してきちゃったし。





歩いても歩いても場所がわからない。




もしかして相当遠くに来ちゃった…とか。