優しく奪って

護君を見て、目が合うと視線だけ逸らして…

何回もそんな事を繰り返していた私に護君が口を尖らせて話し始める。





『ちぇっ。愛夢美チャンの口から聞きたかったんだけどな。

愛夢美チャンが俺と同じ気持ち抱いてるって思ってもいい？』





「同じ気持ち？」






ドキドキしながら聞いた。




何となく護君の言いたいことがわかってるんだ。

自分では言えないくせに護君には言って欲しい。


護君が先に言ってくれたら、私もきっと言えると思う。そう思う私はちょっとズルイかも…





でも言ってくれたら私も勇気だして伝えるから。




だから護君から聞かせて？








じーっと無言で見つめていたら護君がひとつ息を大きく吐き出して、言ってくれた。








『だから〜。俺は愛夢美チャンが好きなんだけど！

俊明と一緒の愛夢美チャン、スゲーつまらなさそうに見えたのってさ、俺の勘違い？

愛夢美チャンも俺の事…好きなのかなって思うのは自惚れてる？』






言いながら恥ずかしそうに頭を掻く護君。