優しく奪って

『さっき俊明に言った言葉の意味聞かせて?』





「…え?」






私何言ったっけ??





首を傾げた私の真似をして首を傾げる護君。





『ほら。“護君じゃなきゃいやだ”って叫んでたでしょ?あれどういう意味で言ったの?』






「な、ななな何で知ってるの?」





あんなにうるさい中で聞こえてたって一体護君はどこにいたの?





そう言えば叫んだ瞬間すぐに護君が来てくれた。







『体育館に愛夢美チャン達が入ってきたの見て、俺側で様子見てたんだ。…覗き見してたみたいでごめん』






そうだったんだ。だから私が嫌がってるのわかってくれて助けてくれたんだね。






納得している私に護君は再度聞いてきた。





『どうして俺じゃなきゃイヤだと思ったの?』






「えと…それは…ね?」






好きだからって言いたい!



でも……






「あのね…それは〜その……。」





どうしよう。喉まで言葉は出かかっているのに。





どうしても最後の勇気が出せない。