優しく奪って

ちょっとだけ拗ねた顔でそっぽをむいたら、少しだけ慌てて『ごめん』という。



その姿が必死に見えて、本気でなんて怒ってないのにって笑みが零れる。


なんだか護君と一緒にいると私楽しくて笑ってばかりかも。






好き、になっちゃってるよね?







護君は、どう思ってくれてる?

可愛いと好きって比例してくれてるのかな?






ジッと見つめてて私に気付いたのか、『ん?』と首を傾げられる。







私の事どう思ってるの?なんて聞けないよ〜。






「ま、護君のクラスは何をしてるの?中庭でなにかお店出してたの?」







苦し紛れに出た言葉はどうでもいいような事だった。






『うちのクラスはプラネタリウムやるんだ!機械も自分達でつくったんだけど見に行く?』






すごい!そんなの作れちゃうんだ!!





「うん!行き…」





『護やっと見付けた!お前ケータイ鳴らしてんのにシカトすんなよ!』







突然入り口から声が聞こえて来て振り返ると、男の人が一人私たちに気がついて中に入ってくる所だった。