優しく奪って

『俺は愛夢美チャンと二人きりなら全然会話なくったって楽しいと思うな!

愛夢美チャンの行動一つ見てるだけで新鮮で飽きないし!

だから…光伸達は放っておいて…俺と二人じゃダメ?』






首を傾げながら手を差し出してくれる護君。




ホントにいいの?




私から話しかけるって出来ないかもしれないよ?





今だって通り過ぎる男の子に見られただけでビクッとしちゃって態度おかしくなっちゃってるのに、嫌だって思わないでいてくれるの?






『光伸の彼女の代わりに愛夢美チャンが困ってる時は俺が守るから!』





スッとその男の子達が私の視界に入らないように移動して隠してくれる。




その行動にドキドキしちゃってなかなか差し出してくれた手を握れないでいると。





『時間切れ。了承してくれたって勝手に思うことにしちゃうよ?

手も俺から繋いじゃうね!愛夢美チャンから繋いで欲しかったな〜。』





ぎゅっと手を握って私を覗き込んだ。





『学祭にようこそ!一緒に楽しもうね!』






目尻を下げて笑いかけてくれる護君に同じように笑いかけるなんてひきつりそうで出来なかったけど。


だけど、護君と一緒に楽しみたいって思いを込めてめいいっぱい頷いた。