優しく奪って

こんな時どうすればいい?



そうだ。律ちゃんに聞いてみよ…う?




「…律ちゃんと、光伸君は?」




校舎に入ってく姿は見たけれど、いない…。




『あいつらなら、2人でどこか見てるよ。』




律ちゃん!あんなに側から離れないでって言ったのに!こんな最初から別行動だなんて薄情すぎる!!




『俺と2人じゃイヤ?』





ちょっと悲しそうに聞いてくる護君。




「そ、そんな事ないけどっ。でも私…」




『うん?』




「私…あまり話すのとか上手じゃないし…あたしと2人きりだと護君がつまんなくなっちゃうんじゃないかな?」




今だってこうして話すのにもいっぱいいっぱいなんだ。
目を見て話そうとしても、つい逸らしちゃうし。




律ちゃんがいてくれたら、きっともう少し会話をふってくれて話せると思ったの。

そうしたら護君がつまらないなんて思わなくて済むのに。





…ってあれ??





私、男の子と2人きりが怖くて律ちゃんにいてもらいたいって思ってたんじゃなかったっけ?