優しく奪って

『羨ましいだろ?でも選ばれなからって文句言うな!
愛夢美チャンが選んだのは俺なの!ね?』





私に同意を促してくるから、思わず頷くと、ニカッと笑って背後に隠してくれた。





『ほら!間違いなく選ばれたのは俺だから諦めろ。』



勝ち誇っていう護君に一斉に何か言ってくる男の子達。






『避けろよ!愛夢美チャンが怯えてるだろ!』





ブーイングの中私を隠すように進む護君。






護君の背中に隠れながら繋いだ手もそのままで、校舎へと入っていった。










校舎へ入ってすぐに私を見ていたずらっ子みたいな顔で笑いかけてくる。






『まさか俺が選ばれると思ってなかったから調子にのって自慢しちゃった。』








自慢しちゃったって……





私なんかが一緒にいるだけでそんなに嬉しいのかな?

なんだろ、胸がくすぐったいよ。






未だに勝ち誇った顔でいるのがなんだか可愛くてついクスクスと笑ってしまった。