そっと左手で自分の半身をなぞる。 誰のせいでもない事故だった。 法は飲酒運転をしていた相手を裁いたけれど、顔さえまともに見なかった相手を私は責めたりはしなかった。 生きていたことに感謝こそすれ、絶望するわけでも悲観するわけでもなく。 ただ、毎日、羽柴くんが好きだった。