sweet voice

伸二くんが家に戻ってから、もう一度ベッドでゴロゴロしていた。


かすかに、伸二くんの匂いが残っている。


もう私は、伸二くんの彼女なんだな。


二度寝しそうになり、あわてて飛び起きた。


顔を洗って水を飲むと、やっと目が覚めてきた。


グラノーラをお皿にあけて牛乳を注ぎ、テレビをつけた。


つけた瞬間、カルディナルビバレッジのCMがうつった。


いま流行りの、強炭酸ミネラルウォーターだ。


旬の俳優を使ってるし、お金かけてるな。


こんなことからも、荒井さんのことを思い出す。


なんでこんなに、ひっかかるんだろう。


魚の骨がのどの奥にひっかかったみたいに、簡単には取れないのかもしれない。


食べ終わって、クローゼットを開けた。


「いちお、デートだしな・・・」


独り言をつぶやきながら、ワンピースを選んだ。