「それってさ、花音は荒井さんのことが好きってことじゃないの?」


昨日の夜のことを細かく報告したら、茜はズバズバ指摘してきた。


「ほら、キスってお互いのフェロモンチェックだっていうじゃん。


今までの男と違うってことは、荒井さんと相性いいってことでしょ」


「たしかに、声といいキスといい、ヤバイんだよね」


「もうさ、土曜日にやっちゃえば?」


「簡単に言わないでよ」


「荒井さんが彰太さんの知り合いだから、気にしてんの?」


「そうじゃないけど、もう失敗したくないっていうか」


「体の相性悪ければ、伸二くんに乗りかえればいいじゃん。


早くわかった方が、傷も浅くてすむってもんだよ」


ドライな茜の指摘は、的確なんだと思う。


でも、私はウジウジ悩んで、結論が出せないまま相手に流されてしまうタイプなんだ。