「ごめん、今日は帰る」
個室を出ようとしたら、
「帰さないよ」
伸二くんが、私の手を強く握った。
「離して」
「僕を選んでくれるまで、ダメだから」
今まで感じたことのない力強さで、離してくれない。
「どうして、さっきみたいなことしたの?」
「花音を奪うためなら、なんだってするよ」
「あまりにも一方的すぎるよ」
「じゃあ、3人で集まって、話し合う?」
「そんなの無理」
「でしょ?
だから僕は、花音を好きな気持ちを言葉や行動で示してるんだよ。
僕と一緒に、ニューヨークで暮らそう」
何度も重なる唇は、まるでトゲが刺さるみたいに痛かった。
されるがままの私は、伸二くんに流されないよう必死で耐えた。
個室を出ようとしたら、
「帰さないよ」
伸二くんが、私の手を強く握った。
「離して」
「僕を選んでくれるまで、ダメだから」
今まで感じたことのない力強さで、離してくれない。
「どうして、さっきみたいなことしたの?」
「花音を奪うためなら、なんだってするよ」
「あまりにも一方的すぎるよ」
「じゃあ、3人で集まって、話し合う?」
「そんなの無理」
「でしょ?
だから僕は、花音を好きな気持ちを言葉や行動で示してるんだよ。
僕と一緒に、ニューヨークで暮らそう」
何度も重なる唇は、まるでトゲが刺さるみたいに痛かった。
されるがままの私は、伸二くんに流されないよう必死で耐えた。